Monday, June 30, 2008

サポート・メール配信開始

7月1日、「AR支援ネットワーク通信(1)」の配信を開始しました。第1号のタイトルは、「授業とリサーチ」(松山大学 佐野正之)です。このメールを読むためには、メールアドレスを登録していただく必要があります。詳しくは、本ページの右コラムをご参照ください。

【お知らせ】
☆「AR支援ネットワーク通信」は、毎月1日、15日に配信予定です。
☆「AR支援ネットワーク通信」へのメールの返信はできない設定になっています。リサーチについての質問や疑問点がある場合は、事務局の長崎までメールまたは電話でお知らせください。それに回答をいたします。

Friday, June 27, 2008

私のアクションリサーチ File #2-1 山田 憲昭先生(高知西高校)



最近よく「英語教員の幸せとは何だろう?」と自問する。英語教員ならば誰でも一度は私のように自問したことがあるのではないだろうか。この問いへの答えはそれぞれの教員で違うのかもしれないが、今の私は「生徒がいて、毎日授業ができること。」という答えにたどり着く。そして、これはアクションリサーチが私に教えてくれた最も大切なことの一つでもある。

私は、1999年~2007年の9年間を、自らの英語教員としての人生の覚醒期であると位置付けている。人生の中で非常に重要な意味を持つ期間であったと思っている。この9年以前の生活とこの9年間とを比べると、ちょっとした変化がある。それは、人との出会いをきっかけとした英語教員としての「覚醒・自覚」だと思っている。

在籍した高知西高校において担当した全ての授業は勿論であるが、全英連高知大会の公開授業研究とその追研究、高知西高校におけるSELHi研究開発、高知県英語ディベート大会に関わる指導法研究、等様々な課題やテーマを提供してくれた生徒諸君、共に課題解決に向けて汗を流せた教員仲間がいなければ、気付かなかっただろう。そして、アクションリサーチという「自らの手で自らの授業を改善していくという手法」に出会わなければ、いつまでも根拠なしに生徒に責任を擦りつける教員の一人であったかもしれない。

この9年間の私の「授業改善」を支えてくれたアクションリサーチに感謝している。そして、私たち高知県の中高英語教員に「アクションリサーチ」という共通言語を定着させてくれた5年間の高知県英語教員研修に感謝している。(前編おわり)

☆報告書へのリンク (現在準備中)

☆連絡先 (現所属)高知県教育委員会事務局高等学校課
     TEL:088-821-4850
     E-mail:noriaki_yamada@kt5.kochinet.ed.jp

Tuesday, June 24, 2008

私のアクションリサーチ File #1 森 隆彦先生(高知追手前高校)



 私は英語教員指導力向上研修初年度の受講者でした。受講前、アクション・サーチ(AR)がどのようなものか全然知りませんでしたが、関連書籍を読んだり、研究実践する中で、自分の授業改善に大いに役立ちました。

 ARの研究は「速読速解力のための音読」を中心に行いました。自分の報告書を読み返してみると、やっていることは一部分的だったと思いますが、系統だったARの取組に、「ようやったなあ」と今更ながら感激しています。

 計画の実践の中では、シャドーイングに重点をおいて取り組んだのですが、これはその夏の集中研修で受けた、「KHシステムの同時通訳練習法」の影響が大きかったです。今まで自分では経験したことのない斬新なシャドーイングという練習法にはまってしまい、秋からのReadingの授業に早速取り入れました。

 最初は「シャドーイングなんてできっこない」と生徒からは大ブーイングでしたが、CDを生徒全員に持たせ、家庭学習用に記録用紙をつくり、シャドーイングテストもすることにして粘りました。

 3ヶ月ほどかかりましたが、生徒たちは激変しました。シャドーイングは皆完璧になり、特に英語が苦手だった男子生徒の上達ぶりには感動しました。シャドーイングの効果なのか音読を嫌がらなくなり、授業に活気がでるようになりました。

 また、「以前より英文を読むスピードが上がったような気がする」「リスニングも聞き取りが以前より楽になった」などの声があがるなど、自分自身の変化を感じる生徒が多かったと思います。

 授業が変われば、生徒が変わる。まさしくアクション・リサーチはそのことをはっきり教えてくれた私の先生でした。

☆報告書へのリンク 速読速解力を向上させるための指導の工夫

☆連絡先 (現所属)高知県教育委員会事務局高等学校課
     TEL:088-821-4850
     E-mail:takahiko_mori@ken2.pref.kochi.lg.jp

(写真は、ポスターセッションで発表を聞く森隆彦先生:中央)

Monday, June 23, 2008

第1回メール配信予定

第1回目のメール配信は7月1日を予定しています。今しばらくお待ちください。

Monday, June 16, 2008

アクション・リサーチのすすめ:指導主事の皆さんへ

松山大学言語コミュニケーション研究科教授 佐野正之



あじさいの花が美しい季節になりました。ご多忙な毎日をお過ごしのことと思います。

 さて、私は過去5年間、各地の指導主事と協力しながら、アクション・リサーチを中核にした悉皆研修を立案し、実施して参りました。最近、その成果を検証した結果、この研修の進め方は、講演で情報や技能の伝達をねらいとした研修よりも、教師の授業改善に取り組む意欲を高める上で効果があると確信するに至りました。詳細は事務局のホームページにある「教員研修とアクション・リサーチ」という拙論を参照ください。アクション・リサーチに取り組んだ40数名の指導主事や教員との覆面対談のまとめが報告してあります。そこで、ここで得た結論をもとに、アクション・リサーチの発想や手法を、皆さんの今後の研修計画の参考にしていただければと幸いと考え、メールによる指導主事への支援を計画した次第です。

 というのも、どこの研修センターでも予算が削減されて外部講師への依頼が難しくなっていると聞きます。しかし、年次研修は継続され、じきに免許状更新の研修も計画しなければなりません。さらに、小学校英語活動への早急な対応も求められています。このような場合に、もし、指導主事がアクション・リサーチを中心に研修を計画し実施することができれば、外部講師に依存する以上の効果をあげる可能性があるのです。すでに、悉皆研修の中で、これを証明したケースがあります。細部は上記の拙論をご覧ください。私は、志を一つにする英語教育の専門家たちと協力し、こうした情報をメールでお知らせし、また、皆さんからの質問に答えたり、相談を受けることによって、全国の教員研修を一層充実したものにしたいと願っております。

 もちろん、それには指導主事自身がアクション・リサーチを知らなければなりません。立案者に自信がなければ、研修の成功は期待できないからです。そこで、この6月から毎月1,2回の割合で、私が実施しているアクション・リサーチの研修会の様子を実況放送の形で報告し、また、皆さんから寄せられる疑問への回答をすることによって、この手法の理解を深めていただくことを計画しております。もちろん、支援を受けるのにお金はいりません。また、学会への参加などの義務は一切ありません。

 アクション・リサーチに関する情報の発信は、主として私が当たりますが、次の方々にも時々支援に加わっていただき、また、皆さんから寄せられる質問に答えていただく予定でおります。

松山大学言語コミュニケーション研究科 金森強教授 
神奈川大学 外国語学科 高橋一幸教授  

 また、高知工科大学の長崎先生には、事務局とし活躍いただくだけでなく、高知県でアクション・リサーチを5年間継続してこられた経験を生かして支援に関っていただきます。

私たちは、支援の内容とスケジュールの概略を次のように考えています。

1.中学・高校の英語科教員を対象にした英語授業改善のためのアクション・リサーチ

ねらい:自分の授業実践を振り返り問題点を発見し、生徒と協力しながら改善のための対策を積み上げることによって、生徒理解を深め、英語授業力を伸ばすばかりでなく、プロとしての教師の役割について認識を深める。1学期はリサーチの進め方を体験的に理解し、2学期に各自学校で実践、成果を12月か1月にまとめる。

1) 6-7月 アクション・リサーチの手法を学習し、ミニ・リサーチを実践し理解を確かめる。   
2) 8月 期末試験の成績や授業を振り返り、授業の問題点を発見し、仮設を立てる。
3)9-10 月 仮説の実践。実践記録をポートフォリオに集め、振り返りをする。
4)11-12 月 実践の様子で仮説を変更する。期末テストの成績などの結果の検証。
5) 1 月 レポートにまとめる。発表と、研修全体の評価。次年度に向けて具体的な研修ス ケジュールを立案する。

2.英語活動に不慣れな小学校教員の指導力向上のためのアクション・リサーチ

ねらい:英語に不慣れな小学校教員が、自信をもって英語活動に取り組めるようにするために段階を踏んだアクション・リサーチによる指導力向上と授業改善。

1) 6-7月 英語活動の目標を理解する。英語活動の一コマ分(あるいはその一部)を観察したり、ビデオに録画することによって現状把握の基礎データーを得る。また、挨拶、チャント、歌に用いられている英語のリズムやイントネーションに注意し習得を計る。
2) 8月 挨拶や歌、チャントに加えて、単語やきまり文句の発音に注意する。また、ゲームを楽しく指導力も身につける。あらに、4月に集めた基礎データーや子どもの感想、授業ノートなどから、夏休み以降の授業改善の焦点を明らかにし、段階を踏んだ対策を計画する。
3) 9-12 月 以下、授業改善の対策をアクション・リサーチのプロセスにならって実施し、プロセスをポートフォリオに残すと同時に、研究会で報告し、相互に意見交換して改善を目指す。この間、一度は教室で研究授業をする。
4) 12-1月 研究成果の発表と研修全体の評価。

 以上です。私たちからのメールは、1回につきA4 で2枚程度までとし、読む側の負担にならないように配慮します。この支援に関するメールは、全て、事務局の長崎先生から発信されます。質問などがある場合には、長崎先生にお寄せください。

 それでは、私たちの意をご理解いただき、多くのかたがこの計画に参加くださいますようお願いいたします。

「英語教員のためのアクション・リサーチ支援ネットワーク」開設について(ご案内)

2008.6.16
各都道府県・政令指定都市教育委員会事務局
各都道府県・政令指定都市教育センター
  小学校・中学校・高等学校教育担当部課
外国語教育担当指導主事 様

英語教員のためのアクション・リサーチ支援ネットワーク
                            (主宰 松山大学教授 佐野正之)

「英語教員のためのアクション・リサーチ支援ネットワーク」開設について(ご案内)

 初夏の候、皆さまにおかれましては、ご多忙な毎日をお過ごしのことと思います。

さて、この5年間で、全国の各都道府県等において、文部科学省の「「英語が使える日本人」育成のための行動計画」にもとづき、英語教員の指導力向上のための研修が実施されました。

その中で、私たちは、アクション・リサーチを中核にした指導力向上のための研修を立案し、実施して参りました。最近、その成果を検証した結果、この研修の進め方は、講義中心の研修よりも、授業改善や教員の授業改善の意欲を高める上で効果があると確信するに至りました。

そこで、アクション・リサーチを、今後の英語教員研修に役立てていただくために、指導主事の皆さんを対象とした、オンラインでの支援システムを開設することにいたしました。開設の趣旨や内容の詳細については、別紙「アクション・リサーチのすすめ:指導主事の皆さんへ」をご覧ください。

つきましては、「英語教員のためのアクション・リサーチ支援ネットワーク」に登録を希望される方は、下記によりお申し込みください。



1 目 的 
(1)小学校、中学校、高等学校の英語科教員指導力向上のための研修に、アクション・リサーチを導入・実施するためのノウハウの習得
(2)現職英語教員の力量形成に資することのできる指導主事のメンタリング能力の向上

2 対 象  英語担当指導主事、研修担当者及び英語教員の指導力向上に関心のある方

3 方 法 
(1)電子メールによるオンライン・レクチャーの定期的配信
(2)受講者支援(メンタリング)に関する指導主事・研修担当者への助言

4 申込方法  以下のいずれかの方法でお願いします。
(1)「所属」、「職名」、「メールアドレス」を記入のうえ、電子メールで申し込む。
送付先: nagasaki.masahiro@kochi-tech.ac.jp
(2)「英語教員のためのアクション・リサーチ支援ネットワーク」のページ(http://eflteacherinaction.blogspot.com/) にアクセスし、登録申込フォームに必要事項を入力して送信する。

【事務局・問い合わせ先】
 高知工科大学 共通教育教室 准教授 長﨑政浩
住所 〒782-8502 高知県香美市土佐山田町宮ノ口185
  電話 0887-57-2105 (ダイヤルイン)
  電子メール nagasaki.masahiro@kochi-tech.ac.jp

Tuesday, June 10, 2008

アクション・リサーチと教員研修

松山大学言語コミュニケーション研究科教授 佐野正之
   
 このレポートのねらいは、英語教員研修でのアクション・リサーチの意義を探り、今後の研修計画に役だつヒントを得ることである。特に、平成19年度まで5年間、全国で実施された悉皆研修では、『ガイドブック』に言及されたことも手伝って、かなりの数の教育センターがアクション・リサーチを研修プログラムに取り入れてきた。私個人でも、アクション・リサーチの講演をした都道府県は、この期間に述べ数で70をくだらないだろう。だが、アクション・リサーチを取り入れたことは、本当に意味があったのか。あったとすれば、どの部分か。悉皆研修が終了した今、立ち止まって振り返り、総括して今後に生かすことが必要である。

 このレポートは2部構成である。第1部は、「指導主事への面談調査」というタイトルで、私が平成20年2月から3月にかけて、松山大学からの研究助成を得て、それまでに講演で訪れた県や都市の教育センターのうち10箇所を訪れ、悉皆研修(一部年次研修)に直接関わった指導主事(前指導主事も含む)と面談した結果のまとめである。面談の目的は、研修の立案と実施に関った指導主事が当の研修をどのように評価し、また、そこでのアクション・リサーチをどう考えておられるかについて本音を聞くことである。そのために、センターの固有名詞は伏し、発言者は特定できないように配慮するという約束でインタビューを実施している。匿名で本音を話していただき、そこから今後のヒントを得るというのが第1部のねらいである。

第2部は、「受講者へのアンケート調査」というタイトルで、受講者が研修やアクション・リサーチをどのように評価したかを、高知県のアンケート調査やコメントを例に紹介し、考察を加えたものである。この部分は、高知工科大学の長崎先生に書いていただく予定である。高知県を選んだ理由は、アクション・リサーチをもっとも系統的に取り入れた県の一つであり、さらに、研修目標を「評価規準」という形で設定し、年ごとに成果を『報告書』で公表していること、また、受講者の総数も今年は約100名(過去5年間では約400名)で、数値的な処理も比較的容易であるなどの理由からである。

もちろん、アクション・リサーチの効果を正確に知るには、研修直後の調査だけでなく、1年後や2年後に研修がどのように教員の意識改革や授業改善に結びついたか、さらには、生徒の視点からの調査も必要だろう。しかし、悉皆研修後の研修の在り方が模索されている今、さしあたりは上記の2点から成果と問題点を整理し、今後に生かすことが急務だと考え、論文にまとめることにした。(いずれも、pdfファイルにて掲載。)

 第1部 指導主事への面談調査 (佐野正之)

 第2部「受講者へのアンケート調査」 (長崎政浩)

Sunday, June 8, 2008

登録希望メール送信フォーム

「英語教員のためのアクション・リサーチ支援ネットワーク」に登録を希望される方は、下記のフォームに、必要事項をご記入いただき、「確認」ボタンを押してください。確認画面が出ますので、記載内容を確認していただき「送信」ボタンを押してください。

登録していただくと、

(1)電子メールによるオンライン・レクチャーの定期的配信
(2)受講者支援(メンタリング)に関する指導主事・研修担当者への助言

を受けることができるようになります。

このネットワークは、英語教育研究と英語教員の自己成長を進めていくことを目的とした、ボランタリーなものですので、費用等は一切必要ありません。

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