Friday, August 13, 2010

アクション・リサーチ全国大会 ご案内

私たちが学校で直面する問題は、このところ一層複雑化し、従来の学問や体験だけでは対応しきれなくなっております。こうした中で、理論からではなく、現場から調査・研究を開始する方法が注目されるようになりました。中でもアクション・リサーチは、英語に限らず、学校や地域での共同研究や授業改善の手法としても注目されつつあります。ところが一方で、アクション・リサーチにはパターン化した調査手法が存在しているわけではなく、リサーチの成否は、生徒や同僚との協働や経験の交換、また、メンターのアドバイスの質に左右されることが少なくありません。個人的な努力だけではなく、互いに経験知を交換しあう協働的な研究体制が必要だということになります。

このような思いから、アクション・リサーチの会@yokohama は、平成13年の立ち上げ以来、2ヶ月に1回の定例研究会、2年に1回の研究大会、2回の研究紀要の発刊などを続けて参りました。立ち上げから10周年を迎えるのを機会に、今年度は「全国大会」と銘打って、発表者を外部からも募り、小学校の外国語活動から中学・高校での授業改善、教員養成や再教育など、今英語教育が抱えているさまざまな問題にアクション・リサーチで解決を探りたいと思っております。また、これを機会に「教育アクション・リサーチ・ネットワーク(Japan Educational Action Research Network)」を設立し、各地の研究成果を共有し、情報交換のできるネットワークを立ち上げたいと考えております。また、将来的には他教科や学校教育全体の問題をも扱うネットワークづくりを目指したいとも願っております。

つきましては、御多用の中、誠に恐縮ですが、多くの皆さまの参加をいただきたく御案内申し上げます。

≪主催≫ アクション・リサーチの会@yokohama

≪後援≫ 神奈川県教育委員会 山形県教育委員会 高知県教育委員会
アクション・リサーチ支援ネットワーク 横浜国立大学教育人間科学部教育デザインセンター

≪期日≫ 2010年(平成22年) 10月3日(日)

≪会場≫ TKPコンカード横浜カンファレンスセンター
横浜市神奈川区金港町3-1コンカード横浜2F
「横浜駅」きた東口改札口より徒歩5分 【http://tkpcy.net/ 】

≪日程≫
9:10~ 受付
9:30~ 開会行事

9:40~10:10 基調講演横浜国立大学名誉教授佐野正之
『アクション・リサーチの過去と現在と未来の展望』

10:10~11:40 研究実践報告(1) 全体会

a) アクション・リサーチの進め方:神奈川県の取り組みから
 神奈川県立神奈川総合高等学校教諭 小泉玲子
b) 授業力の改善を目指した中学校での実践
 神奈川県綾瀬市立綾北中学校教諭稲垣梓
c) More Communicative ~ Less Japanese, More English ~
 神奈川県立川和高等学校教諭栗原清

11:40~ 諸連絡

11:45~12:45 昼食・交流会

12:50~15:00 研究実践報告(2) 分科会

【小学校外国語活動部会】司会・進行 粕谷恭子(東京学芸大学)

○森永清司(三次市立川地小) 『子どもが意欲的にコミュニケーションを図ろうとする外国語活動~ARの手法を用いた授業改善を通して~』
○古谷伸彦(横浜国大附属鎌倉小) 『できないからこそ自分を見つめ耳を傾ける小学校英語』
○新海かおる(春日部市立八木崎小) 『児童の自然な発話を引き出す授業をめざして』
○関口和弘(横浜市教育委員会) 『子どもと学級担任が安心して取り組める外国語活動を目指して~現場の声を生かした学校支援~』

【中学校英語部会】司会・進行 岡本徹(綾瀬市立綾北中学校)

○奥山竜一(山形大附属中) 『つながりを実感する授業づくりをめざすAR』
○西田弘栄・角濱慶司(三次市立十日市中・八次中) 『仲間がメンターとして支えあうAR』
○西村秀之(横浜市立富士見中) 『豊かなプロダクションを引き出す授業づくり』
○Jayde Kemsley (藤沢市ALT) 『English in English』

【高校英語部会】司会・進行 小泉玲子(神奈川県立神奈川総合高等学校)

○宮内朋子(愛媛県立松山工業高) 『教科書にからめたタスク活動の利用によって英語への苦手意識の克服を図るAR』
○小島瑠美子(横浜市立戸塚高(定時制)) 『生徒達に小さな自信を与える授業をめざして~定時制高校で二年目を迎えて』
○組田幸一郎(千葉県立成田国際高) 『生徒の成長・教師の成長』
○米野和徳(山形県教育庁) 『高等学校におけるARの試み~コーディネーターの立場から~』

【教員養成と研修部会】司会・進行 横溝紳一郎(佐賀大学)

○志村明彦(慶應義塾大学) 『慶應義塾大学教職課程(英語科)におけるARの導入に関する実践報告』
○中森誉之(京都大学大学院) 『学校教育臨床のためのAR』
○三上明洋(近畿大学) 『AR支援としてのメンタリングの実践について』
○山田智久(佐賀大学) 『ARを振り返って~ARにおける枠組みの必要性について~』

15:15~15:50 地域研究グループ交流会
  横浜、松山大、高知、山形、三次などの取り組みとJEARN発足に向けた提案

15:50~16:20 講演神奈川大学教授髙橋一幸
 『英語教師の自己研修と教師教育~Professional Developmentを目指して~』

16:20~16:30 閉会行事

詳細は、開催案内(pdf)を御覧ください。

Friday, January 1, 2010

AR支援ネットワーク通信 「新年のご挨拶」(2010.1.1 配信)

「アクション・リサーチ支援ネットワーク通信」 読者の皆様へ

新年あけましておめでとうございます。

「アクション・リサーチ支援ネットワーク通信」も3年目に入りました。皆様の熱心な声に支えられて、38号までお届けすることができました。

私たちは、英語教員の「研修」のあり方を見直したいという願いをもって、この通信を創刊しました。教員の研修を、講演中心のものから、教室で教師が主体性をもって行うものに変えて行く必要があるのではないか。そのような問題意識につきうごかされて、様々な課題を提起をしたり、具体的な事例を提供してきました。

2008年7月1日配信に配信した第1号には、「アクション・リサーチの「リサーチ」は、科学的なリサーチではなく、「結果と原因を考えながら、論理的に問題を追及する」という意味でのリサーチです。計画を立てて授業を実施し、指導中に、また事後に振り返り、反省を次に生かすことができれば、ARで一番重要な部分を行っていることになります。」とあります。

授業そのものがリサーチである。日々の教室の中で、生徒たちの声に耳を傾けながら、同僚たちともに、授業について語り合い、お互いを高めていく。学校そのものが、教員の力量形成の場であり、教員の学びの場である。そのような環境の中でこそ、児童生徒たちの真の学びが生まれる。

私たちのゴールはまだ遠いかもしれません。しかし、誰かがビジョンを描き、その実現のために仲間とともに学び続けていかなければなりません。この通信が、その第一歩となることを願っています。

今年も、よろしくお願いいたします。

2010年元旦

アクション・リサーチ支援ネットワーク

  佐野 正之 高橋 一幸 金森 強 長崎 政浩

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☆「英語教員のためのアクション・リサーチ支援ネットワーク 」オンライン・レクチャー
http://eflteacherinaction.blogspot.com/
【主宰】佐野正之(松山大学)  【事務局】長崎政浩(高知工科大学)
◎このメールに返信しても、メッセージは送信されません。ARについての質問や疑問点は
masahiro@nagasaki21.com または 0887-57-2105 までお願いします。